もし、ラーメン屋がスタバに転職したら居心地は良くなるのか?
昨日は、正月三が日の最後の3日目。
ということで、おせちに飽きたので味噌ラーメンを食べに行った。お店は、味噌ラーメン発祥の店と呼ばれる名店。
しかし、そこでラーメンよりも気になるものを見つけてしまった。
それは、そのラーメン屋のとある店員さんである。彼は、人の良さそうな眼鏡の兄ちゃんといった見た目。そして、白いハチマキと汚れひとつ無い白いクルーネックTシャツがよく似合っていた。
彼は「何名様ですか?ご注文は?」と手際良く客の人数と注文を聞き、「コートはハンガーにどうぞ。上の網棚もどうぞお使い下さい。」と、厨房から声だけで客を誘導する役割であった。ラーメンを作らない楽なポジションなんだな、と最初は勘違いをしていた。
しかし、彼の本当の実力はそれだけでなかった。彼の本当の実力は店内に入ってから分かった。それは、「歯に衣着せぬ物言いで客を捌く指導力」であった。
「何名様ですか?5名様ですね。それではひと席空いたので、1名様だけどうぞ!」
「すみません。2名様座られるので全員、左に席を詰めて下さい!」
「お食事がお済みの方がいらっしゃったら、お一人でも席を空けて頂けますか?!」
「お勘定はまとめてお願い出来ますか?!」
「すみません。もう少し右に寄れますか?端の方が狭そうなので!」
それはもう気持ちが良いくらいの指導力。一歩間違えると、客を怒らせてしまうんじゃないかと心配になるくらい。でも、至極真っ当な物言いの彼に恐れるものはない。
その時、私はふと思った。
彼の指導力を、この10席のラーメン屋だけに留めておいて良いのだろうか?もっと相応しい、もっと輝ける職場はないだろうか?と。
そこで真っ先に思い付いたのは、スターバックスである。サードプレイスと謳いながら、席になかなか座れない。でも、そんな時に彼がいてくれたらと思いを馳せた…
「いらっしゃいませ!店内ご利用ですか?2名様ですか?それでは…(キョロキョロ)まず1名様だけ!空いている席へどうぞ!!」
「お待たせしました!キャラメルマキアートのベンティです。コップの横に、私の気持ちを一筆入れておきました!」
「すみません。テーブルいっぱいに教材を開いて、勉強してるフリの方!教材を畳んで、席を詰めて頂けますか?!」
「お客様!お客様!こちらは昼寝スペースではございません!風邪を引く前にお帰り下さい!」
「すみません。店内が混雑しております。会話も弾んでいらっしゃらないようですし、どちらかお先に帰られませんか?」
「ありがとうございます!またお越し下さいませぇ〜!!」
うん、行きたくないわ。こんなスタバ。