やわらかチキンの独り言

とろとろ〜ほろほろ〜

もし、同期に斎藤さんがいたら君は嫉妬せずにいられるか?!

今月末、北海道へ帰ったら新卒で入った会社の同期との忘年会へ参加する予定だ。今は違う会社で働いている私を、毎年誘ってくれる同期に本当に感謝である。

 

そんな新入社員の時に、一際異彩を放っていた同期がいた。彼は出身大学こそ私と同じであったが、大学での面識はなく入社後に知り合った。彼は、趣味はサッカーで法学部出身で弁護士を目指していたが、並行して就職活動をしていたらしい。スポーツ万能、頭脳明晰といった秀才であった。

 

入社後は新入社員研修があり、そこで彼の優秀さが周りの同期を圧倒していた。彼は、どんな質問にも余裕で答え、上司からのチャレンジにも『任せて下さい』と自信満々であった。その姿が今も鮮明に思い出すことが出来る。私は、彼に対して同期でありながら、尊敬と嫉妬を抱いていたのだろう。

 

数年後、テレビを見ていると容姿こそ全く異なるが、優秀であった同期と言動が被る人物がいることを知った。そうだ。彼は『トレンディエンジェルの斎藤さん』であった。

 

実は、新入社員研修の期間である1ヶ月が満了した時。彼は突然、会社を辞めてしまった。理由は、定かではなかったが優秀さ故に、つまらないサラリーマン人生を悟ってしまったのだろうか。

 

もし、彼が会社に残っていたら、その類い稀な能力で出世の階段を早馬の如く、駆け上がっていたことであろう。

 

例えば、上司や取引先へのプレゼンでは、自分が1ミリも間違っていないという自信に満ち溢れ、威風堂々と成功を納めていたであろう。もし、相手から本当に達成可能なのか?と聞かれれば彼はニヤリと笑い、スーツの襟を摘み、『斎藤さんだぞ?』と言ってやれば、向こうは納得せざるを得ない。

 

私はといえば、人前で話すことに抵抗があり、緊張のため声が小さくなり、自信など微塵も無い時期であった。そのため、彼のプレゼンを見てしまったらジェラシーに燃え、少し距離を置いてしまったであろう。

 

自信過剰なだけでは出世など出来ない。もし、上司が自慢話を話していたら、無視せず『トレンディだね』とヨイショすることも忘れないのが斎藤さん。何て抜け目ないんだ…敵いっこない。

 

新卒サラリーマンといえば、飲み会の席での盛り上げ役を強いられる。私は、サークルに所属したこともなければ部活にも所属していなかったため、そんなテクニックはなく苦手な分野である。しかし、彼にかかれば天性の才能で『ペッペー!』と難なく盛り上げることが出来たに違いない。

 

それでいて、トイレで一緒になった時に非難する訳でなく、『大変だったな』と肩を叩いて、励ましてくれるようなナイスガイだ。もう勝負ありだ。

 

もし、彼が同期で居続ける限り、私は陽の光を浴びることなく、陰日向に咲くタンポポに甘んじる他なかったに違いない。

 

 

 

あぁ、妄想が過ぎてしまったが、実際の彼は現在司法書士として活躍していると風の噂で聞いている。新人研修時に辞めてしまっているため、それからの交流はないが、今も元気にしていることだろう。