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やわらかチキンの独り言

とろとろ〜ほろほろ〜

【新説 桃太郎】第二話

前回までの【新説 桃太郎】

 

「鬼」の蔓延る世界に、桃を媒体に生み出された人造人間である桃太郎。成長した桃太郎が鬼退治へ出陣の日に渡されたきびだんご。そこに記されていた「犬」の所在地を訪れた桃太郎。そこで見たのは…

 

 

今にも倒れそうな掘っ建て小屋。その扉がゆっくりと開いた。

 

そこにいたのは金色の毛並みの艶と鍛えられた四肢が目を引く「犬」と思われる生き物がいた。それはこちらの気配を察知してなのか、自らその姿を現した。俺はその見た目に戸惑い、その場で立ち尽くしていた。

 

その様子に痺れを切らしたのか、「犬」と思われるその生き物がこちらに近付いてきた。

「よぉ、お前が桃太郎か?」

と、低い声が問う。

 

そう、「犬」は犬にあらず。人の姿であった。齢三十といったところだ。しかし、俺が今までに見たことのない目鼻立ちのはっきりとした顔に違和感を覚えた。

 

質問への返答として、こくりと首を縦に振った。それに対し「犬」の口の端が少し上がったのが分かった。

 

「俺は、パトラッシュ・ハウンド。お前の親だ。」

 

???

 

俺の顔にも同じ様に疑問符が並んでいたと思う。その「犬」は続けて喋り出す。

 

「まぁ、そうなるわな。順を追って説明してやるよ。まず俺が何者なのかってことだが、俺はこの島国の外にある国のDoctorであり、Scientistなんだ。仲間にはDocって言われてるよ。呼び方はお前の好きに呼んだら良いぜ。Docでもドックでも、ダディでも。ただし、犬は無しだぜ?」

そう言いながらニヤニヤ笑っている。

 

「お前の名前と出身地は分かったが、そんな異国の者がなぜ俺の親を名乗る?そもそも年齢からも無理がある。その上、お前の様な顔は俺の周りにはいない。」

俺の至極真っ当な問いにも顔色ひとつ変えない「犬」は流暢な大和言葉で話を続けた。

 

「だから、話はまだ終わってないぜ?俺は自分のSkillとKnowledgeを最大限活用して世界を平和にしたいと思っている。それは才能を持って生まれたものの宿命だ。それにはまず「鬼」の存在が大きな壁となっていた。そこで、俺はここ日本に不思議な力を持つと言われる桃があることを知った。そして、仲間とこの日本へ来たのが3年前だ。」

 

俺はその言葉に笑ってしまった。

「おい、お前!今3年前に日本へ来たと言ったな?つまり、どんな多く見積もっても俺は3歳ってことか?桃栗三年柿八年じゃあるまいし、嘘も大概にしてくれ。」

 

その言葉に「犬」の目は満月の様に丸くなった。そして、子供の様な顔で喜びながら言った。

「そう!!そこなんだよ!!!!」

 

??????